医療安全調査委員会構想の問題点
診療関連死の死因究明第三者機関・第3次試案に対する意見

1. 厚生労働省からの独立性を明確にする

【委員会の設置】(6)〜(15)  該当部分を参照

i)委員会の独立性

(8)・・・委員会は、人事権も含めた独立性の高い組織とするため、国家行政組織法第3条にもとづく組織とし、中立性を担保し、国民の信頼を得ることが求められる。法整備等の点で、それが困難であるとしても、同8条委員会として内閣府に属する位置付けとすべきである。

その理由は、試案が理由として挙げるように、たんに「調査権限と処分権限の分離」にとどまらない。医療の質・安全は、医師・歯科医師・看護師などの資格、病院の設置基準、人員の配置基準、診療報酬、薬剤および医療機器製造販売の認可(承認)などと深い関係をもち、事故の原因の究明は、そのような行政の問題と深い関わりをもつことが多い。国民の信頼を得るために、事故原因の調査・分析・改善策の提言を行う委員会は医療行政官庁から独立して設置すべきである。(8)
「届出先は委員会を所管する大臣」(18)とあることを見ると、3条委員会ではなく8条委員会を念頭においていると思われるが、内閣府の所管大臣は内閣総理大臣であるので、届出先としては違和感がある。委員会の独立性が担保される3条委員会としてその長を届出先とするのが本来自然であろう。

ii)委員会の設置に関するその他の問題

(10)・・・委員会の構成メンバー、人数についてはできるだけ機動性が確保できるように配慮し、評価報告書の作成まで3ヶ月を目標とする。(2002年8月名古屋大学腹腔鏡事故の報告書作成は3ヵ月で完成し、同大学の事故調査ではほぼ2ヵ月を目標にしている。)
(15)・・・評価報告書に対して不服がある場合について、異議申立の仕組みをつくる。

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